ディスプレイマネージャ

LightDM の設定

GUI でログイン画面を表示し、ユーザー認証を行うソフトウェアをディスプレイマネージャと呼ぶ。ディスプレイマネージャには X.Org 標準の XDM (X Display Manager)、GNOME で利用される GDM (Gnome Display Manager)、KDE で利用される KDM (KDE Display Manager)、Ubuntu で標準採用されている LightDM などがある。

LightDM は特定のデスクトップ環境には依存しない。LightDM 用の様々なユーザーインターフェイスを Greeter と呼ぶ。LightDM の主な設定ファイルは /etc/lightdm/lightdm.conf となる。
また、ログイン画面に表示されるユーザー情報は、/etc/lightdm/users.conf に設定する。hidden-users に指定されたユーザーはログイン画面に表示されない。

$ cat /etc/lightdm/users.conf | grep -v ^#  
[UserList]  
minimum-uid=500  
hidden-users=nobody nobody4 noaccess  
hidden-shells=/bin/false /usr/sbin/nologin  

ディスプレイマネージャの切り替え

SysVinit を採用するディストリビューションでは、ディスプレイマネージャが起動されるランレベルにすることで、グラフィカルログインが可能となる。
CentOS 6 以前などでは、/etc/inittab ファイル中の initdefault が記述されている行を次のように修正する。

cat /etc/inittab | grep -v ^# | grep initdefault  
id:5:initdefault:  

テキストログインに戻す際はランレベル 3 に指定する。

CentOS 7 などの systemd を採用したディストリビューションでは、ディスプレイマネージャを有効にするとグラフィカルログインが可能となる。次の例では CentOS 7 で標準の GDM ディスプレイマネージャを有効にしている。再起動後にグラフィカルログインが可能となる。

$ sudo systemctl enable gdm.service  

なお、GRUB の設定を変更することで、テキストログインとすることもできる。/etc/default/grub ファイルで GRUBCMDLINELINUX_DEFAULT パラメータに text を追加すれば良い。

$ cat /etc/default/grub | grep CRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT  
CRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="text"  

ウィンドウマネージャ

X の外観を制御しているソフトウェアがウィンドウマネージャとなる。ウィンドウマネージャは、ウィンドウの外観、メニュー、アイコンなどを提供する X クライアントである。
X サーバだけでは作業環境として使えないため、ウィンドウマネージャは必須となる。ウィンドウマネージャを変更すると、ものによっては全く別の OS であるようにユーザーインターフェイスが変更される。
代表的なウィンドウマネージャとしては、twm、FVMW、Enlightenment、Mutter、Fluxbox、Compiz、KWin などが存在する。

デスクトップ環境

現在ではウィンドウマネージャも含め、アプリケーションまで揃えて統一的な操作が提供されるのが一般的である。これは統合デスクトップ環境と呼ばれ、代表例は GNOME 及び KDE 。GNOME は GTK+ という GUI ツールキットをベースとして開発され、ディスプレイマネージャとして GDM、標準のウィンドウマネージャとして Mutter を使う。現在はバージョン 3 系が主流であり、RHEL、CentOS、Fedora、Ubuntu などで標準のデスクトップ環境として採用されている。

KDE は Qt という GUI ツールキットをベースとして開発されており、ディスプレイマネージャとして KDM 、ウィンドウマネージャとして KWin を用いる。現在はバージョン 4 系が主流であり、openSUSE、Slackware、Kubunntu などで標準のデスクトップ環境として採用されている。